1. HOME
  2. 歴史
  3. 指定文化財

指定文化財

善通寺本堂

桁行11.5m、梁行15mの南を正面とする平入建物で、寄棟造の屋根は途中で段差をつけて葺く錣葺(しころぶき)です。簡素な外観に比べ、内部は内陣外陣の天井や小壁に草花や龍・鳳凰などが描かれ、華麗な装飾が施されています。宝永2年(1705)4月に上棟、そして翌年9月に竣工していますが、現状の仏壇周りの状況などから、本尊(ほんぞん)厨子(ずし)が作成された江戸時代後期(18世紀後半頃)に改造が加えられたと推定され、建立当初は現在とは異なった古風で閉鎖的な堂内となっていたとみられます。改変はみられるものの建築年代は明らかであり、市内に現存する唯一の時宗寺院本堂として貴重な遺構です。

附、紙本墨画龍図

この龍の絵はもともと、本堂の天井に描かれていました。上から龍に見下ろされるのは、迫力がありました。
震災で被害に遭い、現在は額に入れられて本堂の壁に立て掛けられています。
陣天井画の鳳凰図と同じく、円山応挙(まるやまおうきょ)の門弟長沢蘆雪(ながさわろせつ)の養子で、1847年に81才で亡くなった、長沢蘆洲(ながさわろしゅう)の作とみられます。